よくある質問−回答集02−
皆様から寄せられた疑問・質問にお答えするページです。
○○は治りますか?
Q1、鍼で、婦人科疾患(例:子宮内膜症・生理痛など)を治療することは可能ですか?
適応症ですので充分に効果は望めると思います。ですが、最初から鍼灸治療を受けるのではなく、まずは一度婦人科を受診されることをお薦めします。
子宮内膜症や子宮筋腫・生理痛などはやはり強い冷えを示すものですので、積聚治療が適するものだと思います。ですが、時に重篤な症状が隠れていることもありますので、基本的には婦人科で管理をして頂きながら鍼治療を受けられるというのがより安全な治療方針だと思います。
Q2、先天的に耳に障害があり補聴器をつけています。感音性難聴です。針灸で治療は可能でしょうか?
突発性難聴であれば充分な成果が見込めると思いますが、先天性となると非常に難しいと思います。
ですが、難しいながらも可能性がゼロとも言えないと考えます。
鍼灸の効果は、皮膚刺激が主ではなく、皮膚を刺激することで、脳内のネットワークを刺激して治療しているのではないかという仮説もあるくらいで、実際に古くから鍼灸はしびれや麻痺などの中枢神経系の治療にも効果を発揮しています。
ただ、脳や神経というのは、当院の治療法(積聚治療)での考え方においては、骨と同様に最も身体の深い部分にある”変化させにくい物”と位置づけられていますので、治療には相応の根気と時間が必要になります。
また、発症からの時間経過が長い物ほど治り難い傾向にありますから、先天性となるとなおさら時間はかかるのではないかと思います。
Q3、現在妊娠8ヶ月で逆子と言われました。お灸で直ると聞きましたがそういった治療もやっておられますか?
8ヶ月(妊娠28週)の頃から妊娠後期に入りますので、この頃から検診で逆子についてお医者さんから指摘を受けるようになるかと思います。
妊娠28週頃はまだ赤ちゃんも動いている時期なので、逆子の場合もその8割は出産までに治ると言われています。ですから過度に心配することはないですが、治療をされるならまだ赤ちゃんが動きやすい早めの時期が効果的です。
鍼灸治療は、妊娠中の不快な症状である、お腹の張り感や便秘・頻尿、腰の重さや肩こりなども改善が期待出来るものですので、出産へ向けての体調管理も兼ねて治療を行う事をオススメします。
当院では、基本にしております積聚(しゃくじゅ)治療が身体の冷えをとって全身を調整する方法ですので、逆子の場合でも基本はこの治療法を行います。
その上で、砺波総合病院東洋医学科で行われている富山プロトコルという方式に則って、足の小指の外側、爪の角にある「至陰(しいん)」というツボと、足首の内側、内くるぶしに手のひらを当てて指4本分の高さで骨の際にある「三陰交(さんいんこう)」というツボを、左右の足で別々に使ってお灸を行います(三陰交には鍼+お灸の“灸頭鍼(きゅうとうしん)”を行います。)。
さらに、お灸での効果が薄い場合は、頭のツボである「百会(ひゃくえ)」に鍼を加える場合があります。
当院での妊婦さんの治療経験は4例ほどですが、皆さん割と妊娠初期から診させて頂いて居ましたが、途中で逆子の診断が出た方もおられましたがその方は無事頭位に戻り自然分娩されました。
現状、逆子の診断を受けてからのご来院というケースは当院ではまだ経験がありませんが、十分効果を期待出来るものと思います。
なお、鍼灸院ではなく病院での施術を希望される場合は、上記の砺波総合病院東洋医学科へご相談になられたらよろしいかと思います。
Q4、鍼治療は耳鳴りに効果がありますか?
聴神経の腫瘍や耳小骨の異常などはっきりと耳鳴りを起こす原因になる病気がない物については、鍼灸治療は耳鳴りを軽くする効果を持つと考えます。
もっとも安全な対処法は、まず耳の専門である耳鼻科(耳鼻咽喉科)で専門医の診察を受けて下さい。
慢性中耳炎や耳硬化症などから耳小骨に異常が起こっている場合などは手術による処置をすれば耳鳴りは解消されますし、耳鳴りは聴神経の病気や脳幹などの中枢神経周辺の病気からも起こる症状ですので、それらの重い病気が背景にない事をしっかり確認して置くためにも、まず専門医の診断を受けるのがもっとも安全だと思います。
専門医の診察を受けた上で、原因が不明だった場合、または有効な治療手段を提示してもらえなかった場合に、鍼灸による治療を試みてはどうかと思います。
当院で行っている積聚(しゃくじゅ)治療の観点では、耳鳴りは全身的な冷え(精気・元気の消耗)から起こる、頭部への熱の貯留から起こる症状と考えます。
従って、全身的な冷えを取り、頭部の熱を降ろす施術をすることで、耳鳴りも軽減すると考えます。
ただし、耳鳴りは感覚器官の異常ですので、かなり根気よく治療をしなければ成果が得られません。疲労から起こる一時的な高音のキーンという耳鳴りは比較的治って行きますが、加齢にともなう低音のジーといった音の耳鳴りはなかなか難しい印象を受けます。
Q5、彼に不感症だと言われました。鍼で治りませんか?
性的な快感というのは、心の影響を強く受けるものですので、このような場合は身体の問題よりもパートナーとのコミュニケーションに問題がある場合も少なくありません。
ただ、最近は10代20代の若い女性でも、身体の芯まで冷え切っているような方が増えてきています。そのような冷えの強い状態だと骨盤内の循環も悪くなっているでしょうから皮膚感覚も深部感覚も鈍くなって反応しにくい状態になるかもしれませんね。
また、リラックスも充分できないでしょうから自然とパートナーとの性交渉もぎこちなくなってしまうかも知れませんから、その点もマイナスに働くかも知れません。
生理痛が強い、おりものが多い、便秘気味であるなどの症状もあるようなら、鍼灸治療で冷えを改善することで、良い結果に結びつく可能性はあると思います。
Q6、鍼灸治療は椎間板ヘルニア、坐骨神経痛にも効能があるのでしょうか?やはり治療期間はかなりの日数を要するのでしょうか?
鍼灸治療の適応症(効果が認められている病気)ですので、症状の度合いにも寄りますが改善が期待できます。
治療期間については、痛みの軽減は治療開始直後から得られる可能性が高いと思います。おそらく、週2回程度の治療を1〜2ヶ月程度行えば、随分症状が軽減するのではないかと思います。
ただ、根治させるとなると、神経痛は原因がかなり深い(古い)場合が多いので、早くても3〜6ヶ月、お仕事などが原因の一端になっている場合はお仕事を続けておられる限り症状がほとんどなくなっても月に1〜2度のケア的な治療を続ける必要もあります。
なお、痛みの他に麻痺の症状や膀胱直腸障害(小便・大便が出ない・出にくい等)が絡んでくる場合は早急な手術が必要な場合もあります。
手術をしても慢性的な痛みが取れなかったという話も多く聞かれるでしょうから、頭から病院ではダメだと言われてしまう方もおられますが、症状にはさまざまな原因が考えられますので、ネットの情報などで自己判断せず、必ず医療機関で適切な検査を受けられることをオススメします。
神経痛は冷えると強く出る傾向にありますので、治療を受けつつ日常生活を正して行けば、日常生活では気にならないレベルまで回復する場合もあります。
Q7、最近あまり濡れなくなり、性交痛を感じることがあります。歳を取って不感症になったのでしょうか。鍼で治りませんか?
不感症という事が適切かどうか分かりませんが、骨盤内の血液循環が悪くなると、分泌腺の働きも鈍くなります。濡れにくくなったというのはそういう問題があるのかも知れません。他の症状が分からないので何とも言えませんが、全身的な冷えが強くなっていることが影響しているのではないかと思います。
手足が冷える、顔が火照る、腰痛、頚肩のコリなどもあるようなら、冷えの程度もある程度強いと思いますので、治療を受ける価値はあると思います。