本町北はり灸院(鍼灸院)

鍼灸専門治療
本町北はり灸院

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演奏会目前なのに指が思うように動かない

[20代男性 大学生]

相談内容

▼大学に入ってからサークル活動でギターの演奏を始め、頑張って練習してから指がおかしくなった。

▼右手の親指と人差し指が、少し使うとつって、ふるえたり曲がりにくくなったりしてつらい。

▼11月24日に演奏会でギターの演奏をするが、指が思うように動かないので練習もままならないし、本番で動かなくなりそうで不安。演奏会ではデュオで演奏するので失敗できないので動くようにしたい。

治療

▼実際身体をみてみると手足が氷のように冷たかったので、少しお話をうかがってみると、ワンルームマンションのユニットバスで毎日シャワーのみの入浴をしているという事。シャワーのみの入浴では冷えを助長する旨を説明して、入浴回数を3日に1回程度に制限して、足湯をするように指導しました。

▼その上で、指に意識を置きながら、全身の冷えをとることを目標に基本治療をし、補助治療として知熱灸・失眠の灸・足井穴の温灸、腹部の温灸をしました。

▼11月15日から治療を開始、

▼11月18日(2回目)-特に変化なし、足湯を初めて足の冷えが感じにくくなって寝付きやすくなった。

▼11月22日(3回目)-治療の翌日は症状が楽になる。足湯を初めてから冷え症の具合が良くなってきた。

▼結果、24日の演奏会では、演奏終了まで指の異常は出ず、無事に演奏を終えることができました。

▼その後、年末まで3回ほど治療を行い、年末の帰省を機会に、一旦治療終了としました。

まとめ

▼治療の内容を見ていただくと分かりますが、指の周辺組織への治療を行うのではなく、全身的な冷えの治療を重点的にすることで指の症状が改善している事がお分かり頂けると思います。

▼手・指先には全身的な精気の状態、端的には元気の状態がよく現れます。腹の状態(胃腸の状態)が反映されるという見方もありますが、要点としては陰の気力(元気)の状態が現れるという考え方なので同じ様な意味合いと考えて良いと思います。風邪を引いたりして寝込んでいる時に、しっかり持っていた筈のコップや器をうっかり落としてしまったなんてことはありませんか?

▼この患者さんの場合、引き金はギターの練習のしすぎという使いすぎ症候群ではあったのですが、医大生という事もあって日々のスケジュールがハードで、疲れが溜まっていた事も原因にあったように思います。また、上でも書いたとおり、はっきり自覚できる程身体が冷たく冷えていました。これは入浴方法を誤っていた性でもありますし、やはり独り暮らしということで生活そのものが多少不規則になっていた事も影響していたように思います。

▼入浴というのは、身体を温めるために行うという目的もありますが、身体を濡らすということは、気化熱で皮膚表面からある程度体温を逃がしてしまう事にもつながりますから、シャワーだけで済ませたり、熱いお湯に短時間だけ浸かったりということをすると、換えって身体を冷やしてしまいます。(詳しくは「冷え習慣改善法」を読んで下さい)

▼この患者さんの場合は、独り暮らしという環境もあって、シャワーのみの入浴のあとに、半裸の状態でついついのんびり休んでしまうという、冷えをさらに助長させるような習慣がついていたので、その点を改めて頂きました。また、同時に身体を冷やしがちな汗の始末や服装などの保温の注意を指導して改めて頂きました。

▼さらに、お薦めした足湯も実践されたところ、冷え症の症状も大きく解消され、指だけでなく、冷えによる不眠傾向も改善し、喜んでいただけました。


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